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特集


はっけんの水曜日
 
酉年の終わりに幻の鳥を見に行く

もろに研究施設。

たぶんここ

園内を歩き尽くした後、最後にたどり着いたのがここ、国際種保存研究センター。ここだけはこれまでの自由な園内の雰囲気からはかけ離れた感があり、入るのを一瞬ためらった。

だけどヤンバルクイナがいるとしたらここしかないだろう。

扉も厳重。
土足厳禁。

 

やっぱり施設全体がネットの中にある。

すごい厳重です

研究センターは入り口でスリッパに履き替えなくてはならなかった。扉もしっかりとしていて、高級マンションみたいだ。

恐る恐る中に入るとそこには完璧に整備された空間が広がっていた。巨大なネットで囲まれてはいるものの、放し飼いにされている動物はいない。

静かで暗い廊下を行くと。
センター内はゲージで区切られていて、保護の対象となっている動物が各ブースで手厚く飼育されていた。見学者は通路からガラス越しにその様子をうかがうことしか出来ない。廊下には研究室的な知的で冷たい空気が流れる。
ヤンバルクイナの標記が。
長い廊下の中間付近でついにヤンバルクイナ、の標記を見つけた。天然記念物指定種の分類がされている。
覗き込みます。

ガラスに張り付くようにしてゲージ内を覗いてみた。

・・・

中ではまったく動くものがいないので、一瞬何もいないように見える。だけどよく目を凝らすと木の枝に何か茶色い物体がいるのに気付く。

 

いました。

いた

ヤンバルクイナだ。卵みたいな形の茶色い体から長く伸びた細いくちばし。まさに写真で見た通りの鳥が目の前にいる。

ようやく会えた感動からガラスのこちらで興奮している人間を尻目に、あちら側のヤンバルクイナは冷めた目のままぴくりとも動かなかった。

二人を隔てるガラスはとても分厚く感じた。ようやく会えた感動の後には、どこか物寂しさが残った。

 

自分勝手でごめんな。

鳥に罪はありません

ゲージ内の動物達は、生きることに関してはかなり恵まれた環境にあるといえるかもしれない。だけど園内で放し飼いにされている他の動物達の方が生き生きとして見えた。

乱獲や環境破壊によって激減した種を、今度は一転大切に保護する施設を作り手厚く閉じ込める。人間ってなんて勝手なんだろう、といまさらながらに思いました。はじめて見たヤンバルクイナは、僕に感動を与えると共に、大きな問題を提起していたようにも見えたのでした。

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