●親子の概念を逆手にとって作られる親子丼
なかなかおいしかった大豆と枝豆の親子丼。それを見た妻が変な対抗意識を燃やしたのか、次の日に出てきたのはこんなどんぶりだった。
色の組み合わせはきれいなのだが、一目見ただけでは何のどんぶりなのかわからない。細長い黄色と赤、下の方にある黄色いツブツブ。
箸をつける前にじっくり観察してようやくわかった。
コーンとヤングコーンだ。そのまま言い直せばトウモロコシと若いトウモロコシ。ヤングという言葉が微妙にひっかかる。おっさんと青年という組み合わせだろうか。
いや、そんな風に言うとおいしそうな感じが失せる。
ただ、もともと味の組み合わせ的に疑問を感じるこのどんぶり。実際のところどうなのだろうか。
……あれ?そこそこうまいぞ。
赤いのはパプリカ。軽いやけくそ感すらあるこのどんぶりだが、炒めたコーンの香ばしい甘さと、シャキシャキしたヤングコーンとパプリカとが悪くない組み合わせになっている。
特別うまいというわけではないが、ルールにも適っているし味としてもまあセーフ。これもおいしくいただきました。
翌日は私だけが外食する予定になっていたので、家でのごはんは軽くてよいと伝えておいた。そんな状況で出てきたのがこんなどんぶりだった。
またしてもよくわからない親子丼の登場だ。いや、本当に親子なのか、ごはんの上になんだか野菜らしきものが乗っているだけではないか。
ただ、確かに「軽くてよい」という注文には合っているとも思う。お茶漬けのようにも見えるが、正体はこれだ。
キャベツとキャベツの芽との親子丼。古くはカイワレ大根になるのだろうが、最近は「スプラウト」と言うのか、スーパーでいろいろな野菜の芽が売っている。
キャベツの芽というのはどうやらそんなもののひとつであるらしい。それにしてもなあ。
冷蔵庫にあったシーザードレッシングをかけて食べてみる。……あー、結局なんだかうまいではないか。
外国ではライスサラダというものがあると聞いたことがあるが、それに近いのだろうか。ドレッシングを選びさえすれば、おいしく食べられるのだと思う。
軽く済ませて、これはこれで納得。ごちそうさまでした。
どれも食材として「親子」であるためか、それなりになじんだ今回のバリエーション親子丼づくり。最初は軽く引いたものも含めて、どれもおいしく食べられた。
上の写真は具を定番にしつつ、煮込みと温泉タマゴにしてワサビを添えたアレンジ版。これもうまかったです。