SCENE 8
句会を終え、藤谷さんに聞く
――いやー、すごく楽しかったです。
藤谷「それはよかったです」
――句会はいつごろから始められたんですか? また、句会を開くようになったきっかけは?
藤谷「2002年くらいからです。小林恭二さんの句会に関する本を読んで、それから興味を持って始めました。それまでは僕も俳句はやってこなかったんですよ。僕は俳人としては素人だし。ただ、感想を言い合うのは楽しいね。俳句と句会はまったく別のものだと思います」
――では、句会の楽しみってなんでしょうか?
藤谷「『座』ができることです。飲みに行っても『座』は出来るんですが、飲む時って目的があったりするじゃないですか。でも、句会は目的がなくても参加できるというか」
僕はひざを叩いた。実際に参加してみると分かったが、藤谷さんの句会はすごく楽しかった。そして、お互い知らない人同士でも、楽しく話し合えるのだ。例えば、すごく親しい相手か、自分のタイプの異性とは飲みに行くほうが楽しいかもしれない。ただ、あまり親しくない相手とだったら、句会のほうが楽しいと思う。そして、句の感想を述べ合うことで、その人の人となりが分かるのだ。
小川「でも、すべての句会がそうとは限りませんよ。藤谷さんの句会は、初体験の人でもとっつきやすいようになっている、と思います」
藤谷「それは意識してますよ。全ての人に発言する機会を与えるように、うまく司会をしているつもりです。それから、けなしすぎないこと。もちろん、良いと思わなかったものを良い、とウソをつくのは良くないけど、バランス感覚を持って評価するべきだと思っています。正直、ちゃんとした句会をやられているような人からしたら、僕の句会はダメかもしれません。でも、僕は俳句で飯を食おうとは思ってないんです。だからトークショー感覚で、気軽にやってますね」 |