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ひらめきの月曜日
 
ドキュメント・生まれて初めて句会で自作の俳句を詠んだ

掛け布団の句は3人の人が良いと言ってくれた!
マフラーは2人
湯豆腐も一票入ってた。ほっ。
マスクは誰も入れてくれませんでした!残念!

ちなみに、小川さんの句はこの日一番多くの人に支持された。

細道に 細き空あり 冬の旅

6人の人がこの句がいいと投票した。同様に小川さんは

小春日や 引っこ抜かれし 親不知

という句でも5票を獲得し、全体的に好成績だった。すごいなー。

 

SCENE 8
句会を終え、藤谷さんに聞く

――いやー、すごく楽しかったです。

藤谷「それはよかったです」

――句会はいつごろから始められたんですか? また、句会を開くようになったきっかけは?

藤谷「2002年くらいからです。小林恭二さんの句会に関する本を読んで、それから興味を持って始めました。それまでは僕も俳句はやってこなかったんですよ。僕は俳人としては素人だし。ただ、感想を言い合うのは楽しいね。俳句と句会はまったく別のものだと思います」

――では、句会の楽しみってなんでしょうか?

藤谷「『座』ができることです。飲みに行っても『座』は出来るんですが、飲む時って目的があったりするじゃないですか。でも、句会は目的がなくても参加できるというか」

僕はひざを叩いた。実際に参加してみると分かったが、藤谷さんの句会はすごく楽しかった。そして、お互い知らない人同士でも、楽しく話し合えるのだ。例えば、すごく親しい相手か、自分のタイプの異性とは飲みに行くほうが楽しいかもしれない。ただ、あまり親しくない相手とだったら、句会のほうが楽しいと思う。そして、句の感想を述べ合うことで、その人の人となりが分かるのだ。

小川「でも、すべての句会がそうとは限りませんよ。藤谷さんの句会は、初体験の人でもとっつきやすいようになっている、と思います」

藤谷「それは意識してますよ。全ての人に発言する機会を与えるように、うまく司会をしているつもりです。それから、けなしすぎないこと。もちろん、良いと思わなかったものを良い、とウソをつくのは良くないけど、バランス感覚を持って評価するべきだと思っています。正直、ちゃんとした句会をやられているような人からしたら、僕の句会はダメかもしれません。でも、僕は俳句で飯を食おうとは思ってないんです。だからトークショー感覚で、気軽にやってますね」


句会中の藤谷さん。適度に笑いを交えつつ、司会を行う。

最後に気になっていることを伺うことにした。

――句会の経験が、小説を書くのにも影響を与えていますか?

藤谷「もちろんです。俳句は五七五の17文字で全て言い表さなければいけないんです。言葉を詰める訓練。内容を詰める作業。出来るだけ短い文章で伝えることが大事ですよね。小説のうまい人は俳句もやってると思います」

僕も小説をうまく書けるようになりたい。俳句が言葉選びの訓練になることは身を持って体験した。


小説や創作の話をすると真剣な表情を見せる藤谷さん。

――じゃあ、最後に思い切って聞いちゃいます。僕の俳句はどうですか?

藤谷「うーん、はじめて作ったわりには良かったんじゃない。派手さはないけど、ちゃんと作っている感じは伝わったよ」

――ありがとうございました。

フィクショネス

世田谷区北沢2-12-2 翔鶴ビル 2F 
03-5430-6352
藤谷さん主催の句会は月に一回、第1日曜日、午後8時より。
参加費は1,575円。


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俳句、面白い

僕は俳句や句会を誤解していた。小学生のとき、宿題でいやいや句を書かされたことが残っていたのかもしれないが、俳句なんて過去の文化で、小説やノンフィクションの原稿のほうがよっぽど面白い、と思っていた。

今回、取材を通してようやく俳句の面白さを知った。そして、僕が文章書きだからかもしれないが、俳句を考えることはとても意義深いと思った。これは脳トレだ。大人の遊びだ。そう思った。

月に一回行われているので、次は当サイトが誇る俳人、石原たきびさん、それからウェブマスター林さんと、あと、いろんなライターさんを誘ってプライベートで遊びに行こうかと思った。カルカルで句会やるのもいいですね。誰か一緒にフィクショネスに行きませんか?


 
 
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