デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


ちしきの金曜日
 
角の石を鑑賞する

■ご隠居カドイシ

カドイシの中にはしばしば「元カドイシ、いまは楽隠居」といった風情の方がいらっしゃる。たとえばこんなものだ。


金属パイプにお株を奪われたかっこうの元カドイシ。世代交代である。

かつては駐車場のカドを果敢に守っていたカドイシ氏。なかなか立派な体つきである。しかし、その武勲も過去のもの。ご覧の通りいまや鉄パイプに囲われすっかり楽隠居の体。

巨大であればあるほど機能の面で期待できるものの、そうなるといざ不要となったときに容易に動かせないというジレンマを抱えるカドイシ界の現実をまざまざと見せつけた作品である。


すっかり腑抜けの元カドイシ。

もしかしたらもともとカドイシではなかったのかもしれない、との疑惑がぬぐいきれない物件。見た目にも安定感に欠けるうえ二人組でというふがいなさ。そしていまや新しく立った電柱に逆に守られる格好となっている。

 

■モニュメントカドイシ

さて、そろそろ画像も尽きてきた。というか、こんなに撮ってたのか、ぼくは。


まもるのは建物ばかりではない。

上の作品は、造園屋らしき敷地の角にあったカドイシ。かように、カドイシが守るのは建物ばかりではない。敷地そのものを守る場合もある。

建物がないので、さながら一里塚かなにかのようにモニュメントな存在感を醸し出す点がポイントである。


かなり立派なカドイシ。モニュメンタル。

既出と同様駐車場を守るカドイシ。ただしこちらは鉄柵に譲ることなくまだまだ現役。なんといっても形が良い。土埃が吹きだまり、草の苗床となっている点も味わい深い。

 

■カドイシの鑑

さいごに最もカドイシとしてがんばっているものをご紹介しよう。


自らを白く塗り、その存在をアピール。いわば自然界でいうところの警告色である。

闇に浮かび上がるイエローなやつ。大小さまざまのカドイシの集合体であることや、ブロック塀そのものにもペイントされている点など見どころが多い。

そして上面には「キケン」の文字。しかしながら、この文字がクルマから見えたときはすでにそのキケンに遭遇した後ではなかろうか。

 

■だんだん角を守る神様に見えてきた

自らの体を犠牲にして角を守るカドイシたち。写真を眺めていたら、だんだん守り神に見えてきた。最初に「神様を見つけた」と書いたのはそういう意味です。

お地蔵さんとか道祖神とかも、最初は物理的に何かを守ってたのかもよ。 


酔っぱらって帰ってきたら怪我しそう

こんごも地道にカドイシを収集していきたいと思う。面白いものはまだまだたくさんあるはず。たとえば左はH鋼のカドイシ。石じゃないけど。根本の雑草と縞模様がかわいい。

みなさんも面白いカドイシみつけたらご連絡ください。

ここで宣伝です。団地の写真展をやります。
2008年5月17日(土)から25日(日)まで。
IID 世田谷ものづくり学校 1階 IID GALLERYにて。詳しくはこちら。みんなきてね。

 
 
関連記事
鼻毛石には何かがある
がっくり石
石焼こう!〜焼き石料理を実践

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.