まるくカット
ニクロム線を熱して発泡スチロールを切るため専用のカッターがあるのは、当サイトにも頻繁に登場するのでご存じの方も多いだろう。 この切り心地がなんとも気持ちいいのだ。 むにーっと樹脂に食い込むニクロム線の感触が、まるでなにか危うい冒険をしているかのようで、何度やっても癖になる。
それはともかく、下書きに沿って発泡スチロールを切った。 あとでひととおり削ってしまうので、それほどきっちりと切る必要はない。 ささっとすませた。
2枚を貼りあわせる
つづいて、円く切った板を接着剤で貼りあわせる 接着剤によっては発泡スチロールをとかしてしまうので、専用のものを用意した。
その専用接着剤には「接着できないもの」の説明書きに“高価格品”というのがあった。 高名な芸術家が発泡スチロールを素材自分の作品をつくるにはどうすればいいのだろう、と悩んだが、その悩み事は高名な芸術家になってからすればいいのだ、という心の声に我に帰った。
接着剤をつけた2枚を重ねて、ぎゅっと押す。 今になって振り返ると、このあたりまでが作業として大変楽しかった。 このあとは、想像を超えた苦労が待ちひそんでいたのだ。
形成
重ねた発泡スチロールを、まずは発泡スチロールカッターで形を整えて、盃の大まかな形を作っていく。
お酒を注ぐ側の削り出しは、ケーキを切り分けるように6分割くらいにして、それぞれをカッターで切って作ってゆく方法も考えたのだが、手間が掛かりそうだったので、ごりごりと削ってゆくことにした。 (そしてそれが大きな敗因であった。)
最初のうちはAKB48の新曲なんかを鼻歌で歌いながら紙ヤスリで「シュシュ シュシュー」っと削っていたのだが、すぐに「こりゃたいへんだ」ということが理解できてきた。