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フェティッシュの火曜日
 
優勝力士のあのでかい盃を作る



削りカスとの戦い

先日も当サイトで発泡スチロールを削った記事があった(こちら)。
僕はそれを「あー、気の毒に。掃除大変だろうな」と全くのひとごととして読んでいたのだが、それが自分の身に、文字通り降りかかってきた。


吸いながら

写真を見たり文を読んだりしているだけでは伝わりにくい事象かなと思うのだが、削った発泡スチロールはその同じ分だけ削りカスに変わるのだ。
紙ヤスリでシュッシュっとやって出てきた粉は、削った発泡スチロールの量だけ、部屋の中にただようのである。
どこかに消えてしまうのでは決してない。
なので、掃除機で吸いながらの作業だ。

玉を吸って遊んだり
スクレーパーに頼ったりしたけれど無駄

なかなか進まない

発泡スチロールはやわらかいので、紙ヤスリで削れば作業はすぐだと思っていたが、意外になかなかしぶとい。
しびれが切れてきたので、指で爪を立ててゴリゴリと掘ることにした。
というか、気がついたらしてた。


「わやになった」とこういう状態を僕の故郷では言う

掘り出した発泡スチロールカスを掃除機で吸い、また掘って吸い、掘って吸い、吸って掘り、掘って吸い、ホイッスル、吸って掘る。


吸うというか、掻きこむ感じ

そして磨く

あらかた掘り進んだら、今度はまた紙ヤスリで削る。
紙ヤスリででるカスは、細かい粉末で、掃除機で吸ってもすぐにその辺に舞ってしまう。
舞い上がった発泡スチロールカスは、静かに部屋中に降る積もる。


ちょっとカッターをつかったりしながら
みがきます

被害拡大

数時間もすると、部屋中のありとあらゆるところに白い粉がうっすら積もっていた。
僕の大事な高級一眼レフカメラにも、パソコンのキーボードにも、たたんでおいた洗濯物にも。


こわれないかなこわれないかなこわれないかな

最初は舞い散らないように注意していたんだけれども、そのうち「まあいいや」という気持ちになってくる。
作業効率の方が重要になってしまうのだ。
粉なんか気にしてたらいつまでも進まんぞい、と粉をそのままにしてしまう。
でも本当に無視出来るほどの大胆さもなく、ああ困っちゃったな、と思い出したように掃除機を動かす。

掃除機もあっというまに満タン
フィルターが目詰まりして、たぶんこの掃除機はもうおシャカだろうなあ

リピートの連続繰り返し

この作業をなんどもなんども繰り返した。
削って掃除機で吸って、お腹が空いたらご飯を食べて、仕事もあるので会社に行って、約束もあるのでご飯を食べに行って、帰ってきたら削って吸って。
だいぶいい感じに形が出てきたので、こんどはパテを塗って発泡スチロールのデコボコを抑えて、塗ったパテを乾かせて、また削って吸って、ご飯食べて会社に行って、削って吸って。


この期間中食べたご飯その一
その二 アフリカフェスでローストチキン
そして帰ってきてみがいて
セルフタイマー失敗して
アフリカ料理は魚臭くてびっくりして
お昼にしょうが焼き食べて
パテ盛って
パテ足りなくて買いに行って
誕生日だったので肉を食べて
ナポリタン食べて
みがき終わって
色塗って

塗って出来上がり

本当はもっときれいに仕上げたかった。
去年の暮にテレビ番組なんかのセットを作る工場を見学したのだけれど、その時に今回みたいに発泡スチロールを削っていて、その仕上がりがきれいでまねしたかったのだが、できなかった。
もっとじっくりとやればその分だけきれいになるんだろうけど、どうしても「この程度でいいや、時間もないし」というところに落ち着いてしまう。
僕は美容整形の先生にならなくて本当によかったと思う。
きっともしなっていたら「まあいいや、こんなもんで」と思って仕事していたに違いない。


巨大シイタケではない

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