デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


ちしきの金曜日
 
駅ナカ・駅チカのおにぎり専門店めぐり

高級でも具は定番(笹八・渋谷)


人でいっぱい

渋谷にだっておにぎり屋さんはある。おそば屋さんの横で小さく営業しているのは「笹八」。ここのお店で高かったのは「甘口たらこ」(200円)、「あなご」(200円)だ。

だんだん気づきつつあるのだが、「高価なおにぎり」だからといって高級な具が入っているとは限らない。むしろ大宮の「鮭」とかここの「甘口たらこ」みたいにすごく普通の具材で押し通しているケースが結構ある。


良いたらこ使ってんなーと思った
ところで、携帯電話と一緒に撮らなかったのは偉い

定番の食い物はやっぱり手堅くうまい。みんながよく知っている、たらこの味、あなごの味。そこに粒の立ったご飯と厚めに加工された海苔がくっついている。

こういう当たり前のことが、やっぱり良いことなんだよなーと思う。不意に頭の中で虎舞流の『ロード』が流れ出した。

 

おにぎり食べるのはどんな人

ところで、渋谷でこういう高級おにぎりを特に好んで食べる人って、どんな人なんだろう。渋谷のギャルとかは甘口たらこおにぎりは食べないよな。

あれこれ考えたところ、「時間のあまりないITベンチャー企業の社長が仕事の合間にこういうのを食べるのではないか」という気がしてきた。渋谷のことをビットバレーなんて昔よく言ったではないか。


こういう人が高級なおにぎりを食べるのだと思う(社長だから)

なかなかいい思い付きだと思う。でも、周りを見渡したところそれらしい人は全然いないのであった。


というか、そもそも混んでいるのはソバ屋ばっかりだということに気づいた

 

都心で母の味を感じる(結庵・東京駅)

続いて東京駅。駅の構内は食べ物屋ばかりだ。そんな中でもおにぎり屋さんは混雑している。


まるっきりデパ地下状態の東京駅

ここでは、海苔とおにぎりが別になっている。コンビニおにぎりなんかでは、よくあるやり方だが、こういうちょっと高級なおにぎり専門店では初めて見かける。


こんな風にはだか(海苔なしの状態)でディスプレイされている

「ツナそぼろ」「ピリ辛漬け」「胚芽玄米」…色々と変わった種類のおにぎりがあるなかで、一番高いのは「焼き明太子」(220円)なのであった。ここでも定番が幅を効かせている。


パリパリの海苔がやっぱりうまそう

このおにぎり、食べていて妙な既視感がある。…しばらく考えてその原因が解った。

このお店のおにぎりは、ほんの少しだけご飯が柔らかい。これは、年寄りがいる家のご飯の炊き方だ。つまり、ウチの実家のご飯の柔らかさ。よもや東京のド真ん中で母の味にお目にかかることになるとは思わなかった。


でかい焼きタラコの具も、よくよく考えれば実家っぽい

「オラ、もう東京の生活に疲れた!田舎に帰って母ちゃんの握り飯腹いっぱい食いてぇ!」と若者が都会に失望して東京駅まで来る訳だ。そこで、新幹線の時間までちょっと時間があるな…と結庵のおにぎりを食べる。そしたら母ちゃんの握り飯の味はここにあったのであった。


東京でも食えます

< もどる ▽この記事のトップへ つぎへ >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.