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ロマンの木曜日
 
ハサミで料理、一週間

七日目:カレーライスとサラダ

いよいよ、最終日である。ハサミで料理、一週間。短かったような、長かったような。いや、やっぱりかなり短く感じたな。一週間って、こんなもんだっけな。

さて、大取を飾る料理は何が良いものかと考えたが、ここは、カレーライスとサラダにしてみようと思う。

カレーに必要なジャガイモやタマネギは、これまでまだ扱っていなかったし、サラダに使うトマトやキュウリもまたしかり。煮込む料理と生で食べる料理の対比もまた良いだろう。っていうか、単純に、私が食べたかった。結局のところ、それなのだ。


やっぱり、私はカレーが好きだ

新ジャガなので、刃でこするだけで皮が取れる
芽もまた、ハサミの刃先で簡単に取れる

タマネギはジャギジャギ切ることができてなかなか爽快
包丁のように、細かく切ることは不可能だが

それなりに、細切れにすることはできる
ただ、やはり切断面が粗いのか、汁が飛んで目が痛い

タマネギをバターで炒める
しっかり炒め上がったら他の具を入れて煮込む

後は、ただひたすら煮込むだけ
頑張った感じに煮えたら、ルーを入れて一煮立ちでできあがり

ジャガイモは新ジャガだった為か、ハサミの刃でしごくだけで面白いように皮がむけてくれる。芽も少ないし、ハサミでも十分扱える感じだ。

タマネギは、さすがにみじん切りにするのは難しいものの、ある程度までなら細かくすることが可能である。とは言え、包丁のように切れ味が良いわけでは無いので、汁が飛び易く非常に目に染みる。しかしまぁ、不都合といえばそれくらいか。

むしろ問題は、ただ野菜を切るだけ、単純明快な料理で楽勝と思われた、サラダの方に潜んでいた。


キュウリ、ただチョキンと切っただけなのに
まるでへし折れたかのようになってしまった

トマトも、ヘタをくり抜く所までは良かったが
ハサミで切ると、断面がザラザラのぐちゅぐちゅ

茹で卵も、スパンと切れてくれると思ったのに
なぜか、まっすぐに切れてくれない

面白いことに、生野菜やゆで卵など、それほど固く無く、一見ハサミ向きに見える食材ほど、ハサミで切りにくいのだ。真っ直ぐ切ったつもりなのに、なぜか断面が歪んでしまう。切るというよりも、ねじ切るといった表現が適当な感じだ。

う〜ん、なぜだろう。力学的な事はさっぱりだが、二枚刃によるせん断の効果が影響しているのだろうか。とにかく、キュウリやゆで卵のような、中途半端な固さの食材に対して、ハサミは適していないようだ。


盛り付ければ、とりあえずはうまそうなんだけどね

しかしまぁ、出来上がったカレーは芳しい香りを放っているし、サラダにかけたフレンチドレッシングも我ながら良い出来であった。さぁ、気を取り直して、いただこうではないか。


うん、カレーうめぇ。ジャワカレーはスパイシーで夏向きだ
……が、サラダはやはり舌触りが残念だ

ハサミでもある程度はイケる(でも、限界はある)

さて、一週間、包丁を使わずハサミで料理をしてきた。全体的に、ハサミもなかなかの健闘を見せたのではないかと思う。

煮込むものなど、後に形が崩れるものの場合は、ハサミで切ってもさほど気になる事は無い。ただし、サラダのような、切ったものをそのまま食べるような料理では、いささか難が残るのも確かである。

また、当然ながら、固い野菜はハサミだと結構辛い。皮をむくのも一苦労だ。出来ない事は無いが、あえてハサミでやる必要も無いだろう、みたいな。

結論を言えば、ネギとかピーマンとか、それと葉モノの野菜などは、ハサミの方がむしろ切りやすい。しかしながらそれ以外の食材は、できれば包丁を使った方が良いだろう。私もこれまで以上に料理生活を楽しむ為、そろそろ包丁の入手を検討してみようかなと思う。

自炊はついつい量が多くなってしまう。毎日が満腹だ

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