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はっけんの水曜日
 
ハンザキ祭りでハンザキ山車をひっぱってきた

波のように寄せては返す「ハンザキなんだなあ」という思い

18時、腹ごしらえを終え、ほろ酔いで先ほどの山車付近まで戻った。すると…。

スッチャカスッチャカ…

ハァーー、ハンザキさまぁが♪

アラヨイコラ、ヨイコラサ♪

ゆっくりと山車が、いやハンザキさまがひかれてやってきた。頂上には青年がひとりずつ乗っている。ハンザキに乗っている。

女の子は大切にされてるなー。アラヨイコラ、ヨイコラサ。


はんざき囃子というお囃子に乗ってやってくる。「ダムを、見上げて、膝枕♪なんて歌詞も聞こえる。ハンザキがダムを見上げて、ってことだろうか。どうにも呑気な風情がある。

観客、そしてスタッフさんたちさえも、なんだか半笑いなような、表情を決めかねてるような気がした、のは私だけか。もちろん私は100%半笑いだが。


戸惑いながらも、楽しさとおもしろさがじわじわと沸いている様子を自分撮り。アラヨイコラ、ヨイコラサ。


よくよく見ると、乗っかった青年が盛んに客に何か撒いていた。ヨイコラサ。
ひとつ拾えた。温泉まんじゅうだ、やった!太っ腹。ヨイコラサ。

空いていた引き綱に、次々に観客が参加。ヨイコラサ。
何だろうこの感じ。アラヨイコラ、ヨイコラサ。

外国の方も誘われて、ヨイコラサ。
私もやるしか!とアラヨイコラ、ヨイコラサ。

何なんだこの雰囲気は。お囃子が呑気だとか、速度がゆったりだとか以前に、私らの頭上に頂いているご本尊というべき「ハンザキ」そのものがすでにあれだ、まるっこくて口がでかい。ノべーッとしている。何だ何だ。神輿かつぎみたいな派手なアクションこそないが、じんわり遠赤外線のように面白さがこみ上げるぞ。

そして日は暮れて。闇に浮かび上がるハンザキ太郎。


ハンザキ花子は夜もあでやか。でもノベーッとしてる。

出ました、踊り衆。
事前に街の噂で聞いていた、「ハンザキ浴衣」。うぉー欲しい!

ゆっくり、ゆっくりと時間をかけて街中を練り歩き、広場へと向かう列。昼ごろの静寂がウソのように、こんなに大勢どこにいたんだというくらい、大勢の観客が広場へと導かれてきた。

まんじゅう撒きはまだバンバンやってる。
中心にいるのは間違いなく「ハンザキ」。

最後は2体を囲んで、ひとしきり踊る。

 

夕食を取りに入った食堂のおかみさんにも、ハンザキ祭りのことを聞いてみた。宿のおかみさんと同様、私のほうがハンザキに入れあげているような感じで、特にハンザキがどうこうという話にはならなかった。が、

「大水のときなんか、ハンザキその辺歩いてますよ」

ハンザキ、その辺歩いてる。この言葉に、土地の人の気分を垣間見た気がする。

最後は怒涛のように盛り上がりを見せて終わった「はんざき祭り」。確かに大規模な祭りというわけではないかもしれないが、これだけは言える。来年は絶対友達を連れてこよう。そしてその友達も言うだろう、「来年は絶対友達を連れてこよう」。これ、皆に見せたくなるから。

最後の花火を裏道でひっそり見ていたおばあちゃん。

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