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ロマンの木曜日
 
あこがれの水星を見たいんだ!

第二次観測隊、出陣!のはずが

先月、つまり2010年12月上旬は、日没後に水星が見える時期だ。
夕方なら、早起きしたのに曇ってるということも無いので、観察も簡単だろうとたかをくくっていた。
しかし、現実はそうでもなかった。

当たり前なんだけど、夕方、僕はまだ普通に仕事をしているので、「今から水星見に行きまーす♪」と職場を出て地平線の見える場所へ行くわけにはいかない。
(あと、朝よりも空気が濁ってる)

そんな中、一日だけくっきりと晴れた日に、夕方の空を撮影できる機会があった。
その結果がこれだ。


あ、地平線間際に星が見えてる!!

この星は……、えーと……、何??

すいません。
仕事が終わった後、急に「あ、水星!」と思い出し、自宅に戻ってカメラを持って飛び出したので、星座盤がなく、水星なのかどうかは分かりませんでした。
水星かもしれませんが、火星かもしれないし、ただの星かもしれません。


そして謎の星は、正体を確かめる間もなく沈んでいった。

「撮らなきゃ撮らなきゃ」とあせっているうちに、星は一瞬で消えていった。あれは何だったのだろう。
まるで女子に告白されたのに、告白なのかどうか分からないまま過ぎていった中学生の頃の思い出のようだ。
(そんな思い出は無いですが)

 

iPhoneアプリでしっかりと準備

うーむ。やはり水星を撮るには、それなりにしっかりと計画する必要がある。
まずは星座盤と方位磁針を買いに行くか!と思ったが、買いに行かずとも、現代の僕らにはiPhoneがあった。


やっぱり便利なiPhone。持ってて良かった。

方位磁針とGPSで、現在位置と方角を判断し、星の位置をリアルタイムで表示してくれるアプリ。たったの350円。すごい時代になったもんだ。これを見ながら、実際のカメラの撮れ方と比較して、撮る練習をする。
ためしに1枚、別の惑星を撮ってみた。


2011年1月4日。天王星と木星が大接近!!

いい感じだ。
木星どころか、木星の衛星、さらにまだ見たことのなかった天王星まで撮れた。気分はガリレオ&ハーシェルだ。(ハーシェル→天王星の発見者。子供のころ覚えた。)
あとは東の地平線が大きく開けている場所に行けば、パーフェクトだろう。地平線と言えば、僕の住んでいる市内に、絶好のポイントがある。
ここだ。


ででーん。関東の霊峰・筑波山。日本百名山。

都内までちょっと遠くて不便なつくば市も、こういうときは頼もしい。市内にこんなに大きな山があるのだ。行き慣れた場所なので、撮影の適所も見当がつく。
問題は山の上なので、ものすごく寒いことだけだ。

 

これで準備は完璧

次の観測チャンスは、1月上旬の明け方。
早起きするのはやめて、徹夜で行くことにした。そうすれば晴れてるのも確認できる。徹夜しても、正月休みに行けば、寝不足も問題にならない。
まさに神が遣わしたようなチャンスだ。

天気予報の雲の図と毎日にらめっこし、東の空がよく晴れていたある夜、僕は決行した。
今夜なら見える。あこがれの水星は、もうすぐそこだ。


夜中の3時に着替える。5枚重ねの完全防寒体制。


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