デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


フェティッシュの火曜日
 
狭すぎる柔術道場

八光流柔術って何?

さっきからみなさんがやってる技はなんですか?とちゃんと見せてもらったら、テレビの合気道達人の技紹介みたいな世界が出てきた。

合気道と八光流はともに大東流から分かれた流派なんだそうだ。ぼんやりと合気道と思ったのはあながち間違いでもないようだ。


古川先生によるデモンストレーション
「うっ!」

コロリン!

やるの?

それにしてもこういうのってどういうことなんだろう?

僕が不思議そうな顔をしていたのか、一度体験してみたほうが絶対わかりやすいというので技をかけてもらうことになった。

痛がってもおもしろい顔できないんだよなあ…。やっぱりこれは武術を取材するとなったときの恒例行事みたいなものなんだろうか。


結局やることになった
後ずさりして倒れないようにしてみて、きっとできないから、と

ウッ!!!

なんだこの感触

「入り口のところだけで大丈夫ですんで」そう言ってみたものの、こういうのは前フリに聞こえる。おもしろレポート作る気満々の発言である。

そして技が来る。きた、痛い。倒れる。あ、これおもしろい。

おもしろいのは周りでなくて自分だった。ありえないような力が入ってきて不思議な感触だ。

こっちにいくのが自然だな、こっちにいくのが楽だろうな、という方向に体を動かしていくと自然と倒れている。うわー、思いもよらぬおもしろさ。

音楽に合わせて扇子を振り回すのってこんなにおもしろいんだ!とジュリアナに目覚めたバブル期の女性。何か唐突に出てきたけど、あなたの気持ちわかります。


体が「つながる」ことのおもしろさ

「今、手の力だけで倒そうとするとこうだよね?」古川先生が僕の胸を押す。ぐっと力は入るが支えられる。

「だけど、これをかかとの方から体重を移してやるとこうなる」と言うやいなや、先生の手が急激に重くなって倒れる。こなきじじいってこんな感じなんだろう。

先生はそれを「つながり」という言葉を使っていた。相手の体と自分の体に「線を通してつながりを作る」と言う。

たとえば自分の体を前後左右に重心移動させるような感覚、それを相手とつながりをつくることによって、「相手+自分」の体を重心移動させる感じじゃないだろうか。

一回体験しただけなので、適当なことを言ってるだけなんだけれども。


「手の力だけだと耐えられるでしょ?」
「でもつながりをつくってやると倒れちゃうでしょ」

そして倒れた相手に近寄っていって

壁にドン。なぜだ、なぜこんな僕にとどめを刺すんですか。

こどものころ、こういうの好きだったな

「手の力だけだとこう」「つながるとこう」この繰り返しを何度も何度もやっていただいた。やられるたびに不思議だと思い、もう一度やってくれと子供のようにせがんでしまう。ああ、これがみなさんの気持ちかもしれない。

親戚のお兄さんにジャイアントスイングしてもらうのがすごいおもしろくてゲラゲラ笑って「もう一回!もう一回!」とせがんでいる子供。

ああいう体のおもしろさってあったな、と豊橋の住宅街で思い出した。


< もどる ▽この記事のトップへ つぎへ >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.