もはや何のためらいもない。

ここまで来ると、羞恥心とかそういうものはほとんど残っていない。酒の力を借りるまでもなく、僕らはずっとツェルト人でいられた。

僕がどんぶりを持ち、たなかん君が箸で盛り付ける。
チームプレイもナチュラルだ。おでんもあつあつで美味しかった。
恋人関係が冷え込んでいるときは、ぜひツェルトをかぶっておでんを食べに行くといいと思う。

そして酒がまわってきて、ここから先やることと言えば決まっている。まずは……。

あまりの密着ぶりに、主役の二人のお株を奪ってしまいそうである。
ごめんね、主役のフナちゃんたち。

みんなでツェルト！！

と、ここで横にいた面識のない人が話しかけてきた。

余興ではないし、何とも説明しずらい。
とりあえず、これをかぶってカメラに写ると、再来週の木曜日にデイリーポータルZというサイトに出ることになります、と説明した。
すると奇特なことに参加してくださるという。
早速着てもらった。

ライフハック風に言えば、『パーティーで初対面の人と距離が縮まる魔法の小道具』だ、ツェルト。
後は一杯酒を交わせば、誰とでも話せる。

ここから先は勢いで、やってもらえる人にもう２組、ビバークをお願いした。