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ロマンの木曜日
 
「建築かもしれない展」に行ってきた

「役に立たない機械」

中谷先生による「役に立たない機械」。

実は以前取材をさせて頂いているので、詳細はそちらをみてください。要約すると、役に立ってるように見えるけど役に立ってない機械を作りなさいということです。

今年の作品はこちら。


シャープペンシルの芯折り器

奥のちょっと高くなってるところに芯を置き、レバーを下ろして折るのである。

折るのである、と書いたが、その意味は分からない。それでいいのだ。それが役に立たない機械である。なお、2本まとめて折ったときの音と振動はちょっと心地よいとのことで、実際にやってみたら2本まとめて折れて飛んでいってしまった。

次はこれ。


エンドレスロッカー

ある箱を開けたいのだが、そのための鍵は大事なので別の箱に鍵をかけて入れており、その鍵はまた別の箱にある・・という、理論上どこまでも連鎖できるエンドレスなロッカー。

IDとパスワードを書いたファイルをZIPでパスワードかけてメール添付してそのパスワードは電話で伝えるみたいなことって確かにたまにある。

 

「鞄の中の建築」

福島先生による「鞄の中の建築」は、こういう課題だ。

■鞄の中の建築

建築のミュージアムグッズをつくる。
実在する古今東西の名作建築の中から自分の好きなものを1つ選び、そのデザインや社会背景の特徴を生かして、鞄の中に入るように小さくし、建築以外の新しい機能を与える。

つまり既存の建築をミニグッズにしなさいということだろう。既存の建築というのはたとえばこういうのだ。


フィレンツェの大聖堂(ドゥオーモ)。画像はこちらより。

これをどうやってグッズにするか?しかも実用の機能を与えなければいけない。

答えはこうだ。


「フィレンツェのドゥオーモの帽子06」をかぶる息子

これはすごい。

なんでこれを帽子にしようと思ったんだろう?これを見ちゃうともう帽子以外にはデザインできないように思える。

この課題では他にも著名建築がレモン絞り器にさせられていたり、大根おろしにさせられていたりして、自由な扱いに思わず笑ってしまった。

まとめ

これだけ面白い展示になるのは、「役に立たない機械」に端的に現れてるとおり、やっぱり出題がとんでもないからだろうと思う。面白い出題に触れて、面白い回答が出る。

これって建築学科以外でも可能なのかなーと考えて、たぶん可能だろうなと思った。よい教師とは、よい回答を教えるものでなく、よい問題を出すものである。警句っぽく言ったが適当だ。

なお、展覧会のウェブサイトはこちら。今回紹介できたのは展示のごく一部で、全体のガイドはこちらのPDFで見られます。残念ながら展示はすでに終了しているので、行きたい方は来年も開催されることに期待しましょう。


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