おばあちゃんとギター
さて、なんで僕がギター、それもエレキギターなんて持っているのか。今までの記事に音楽的な要素なんて無かったよね?と疑問に思われているだろう。
なんでギターがあるかというと、僕の母方の祖母は僕が学生の時に亡くなった。ガンだったのだが、亡くなる4ヶ月前、国立がんセンターへお見舞いに行った。
その時、ベッドの横にあったのがこのギターだ。「最近おばあちゃん、バンド始めたのよ。」そう言いながら硬くなった左手の指先を触らせてくれた。
いや、ウソだ。お見舞いに行ったらお小遣いをくれた。2万円。あまりの意外な出来事にビックリした20歳の僕はそのお金を受け取るに受け取れず困った。すると祖母は「早く仕舞え」と言った。祖母は、僕が帰るときはエレベーターの前まで見送りに来てくれた。僕はエレベーターの中で泣いた。
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若い頃の祖母。おばあちゃん、僕は35歳になりました。 |
そのお金は使えずにずっと持っていて、亡くなってからもずっと財布に入れっぱなしにしていた。言ってみれば形見である。でも月日が流れ、紙幣がボロボロになってきた。このまま持っていたらいつか紙くずになってしまうと思って、その2万円で中古のギターを買った。なにかずっと持っているような物にしようと思ったのだ。
それが記事で使ったフェンダージャパンの赤いストラトキャスターなのである。最近はめっきり弾いてなくて覚えた曲もほぼ全て忘れた(以前は少しだけ弾けたんだってば)。
祖母の事は今でも忘れていないが、墓参りには全然行ってない。今年の夏は行こうかなと思います。 |