●通路は完璧。あとはタイミングの問題です

自宅で野球中継を見ている林さんからバックネット裏席が写るタイミングの指示が出る。

「バッターがバッターボックスに入って、ピッチャーが構えるとカメラがピッチャー越しのアングルになってバックネット裏が写ります」

ピッチャーが投げてバッターが見逃した場合、キャッチャーがピッチャーにボールを戻すまではピッチャー越しのアングルが続く。時間にして5〜7秒くらいだろうか。
バッターがファウルなりヒットなりボールにバットを当てた場合、ピッチャー越しのアングルからバックネット裏からのアングルに切り替ってしまい、バックネット裏が写る時間は3、4秒。
いずれにしても、僕に許された時間は短い。

さっきまでの失敗を含めかなり周囲をウロウロしてしまったので、変装してトライする事に。カツラとヤクルトスワローズのユニフォームで変装完了。
5回裏日本ハムの攻撃時にトライ、と思ったら東京ドームが余興タイムに突入した。

余興が終わり通路上部で待機していると、黄色いＴシャツを着た子供が通路を上がってくるのが見えた。
今がチャンスだ。子供と入れ違いに通路を下って行く。

一番前までやって来ると、林さんが言っていた様に眠っている女性がいる。

この寝姿が電波に乗って全国のお茶の間に届いているのだ。「通路で観戦しない」とか「携帯をかけない」とかの注意と一緒に「寝ない」を加えたらどうだろうか？

さっきまで研究していたピッチャー越しアングルのタイミングを見計らって顔を金網に近付ける。今度こそ写ってくれ！

一旦席に戻り、カツラとユニフォームを脱ぎ、今度は水玉の帽子を被る。

通路の上で黙々とカメラを回しているドームの係の人がいたので、その人に指示を出している風を装いスタッフとして紛れる。

正しい通路を狙っての3連チャントライ。
その一部始終を、どうぞ。

僕の勇姿は電波に乗ったのか？
次ページで全てが明らかになる！！