次のステージは「さぬきうどん」新橋店。 ここは入り口から注文カウンターまで少し距離がある。1軒目よりもカレーの匂いを印象づけるには有利なロケーションだ。 今回もやはり入り口近辺に陣取り、お客が来るのを待つ。僕の横を抜け、注文カウンターに向かうまで、その数秒間でカレーの匂いをアピールしていくが、前回と同じやり方では駄目だ。
カレーうどんの誘いを更に強いものにするため、秘密兵器を投入することにした。
携帯扇風機。 これでカレーうどんの匂いの到達率を高めていく。
ブゥーンブゥーンと予想以上に大きな音を立て、携帯扇風機がまわる。
「マニキュアを乾かす時などに」 とパッケージに書いてあったが、まさかカレーうどんの匂いを煽ることになろうとは……。在庫を調べに倉庫まで走ってくれたダイソー(100円ショップ)の店員もびっくりだろう。
とにかく、これでお店に入るなりカレーの匂いを浴びせる事が出来る。
準備万端、お客を待つ。
お昼時を過ぎてしまったせいもあり、先程のお店ほど客足は多くない。
2、3分待つと、まず最初の客が僕の横を抜けた、ブゥーンブゥーン……。 次の客、ブゥーンブゥーン……。 また次の客、ブゥーンブゥーン……。 立て続けに5人のサラリーマンがカレーゲートを抜けて注文カウンターへ。
果たして、注文結果は?
な、何と!5人中2人がカレーうどんを頼んでいる。 打率4割の快挙だ。 忙しい時間帯からはずれた事が良かったのか? ダイソー製携帯扇風機の威力なのか?
「人はカレーうどんにつられる」
と、強く言い切ってもいい数字なのではないだろうか?
しかし、僕のあくなき探究心はここでおさまらない。 次のステージで、店全体をカレーうどん一色に染めてみせる。