有名人の墓を見てみよう
そういえば、管理事務所でもらった紙には有名人の墓の番地が書いてあった。「せっかくだから見てみよう」と、足許の表示と手元の紙を照らし合わせ、まずは某有名芸術家の墓へと向かうことにした。
考えてみれば、過去に有名人の墓を訪ねたことがない。熱烈なファンは、墓前に花を供えに行ったりするものなのだろうか。
うーん、もし行くんなら、誰のところだろう。そういえば貰った紙には、向田邦子の墓の場所も書いてあったな。後で行ってみようか。
そう思いながら歩いていると、明らかに周囲と雰囲気の違う一画が近付いてきた。
そう、ここは芸術家一家、岡本家の墓。かの子、一平、太郎の3人が眠っている。かの子と一平の墓が横に並び、その向かい側にあるのが太郎の墓だ。
まるで2人の様子を笑いながら見ているような、そんな太郎の墓を見ていたら、なんだか知らんが泣けてきた。
「やっぱりモニュメントのある墓はいいなぁ。他に像っぽい物があるとすれば、漫画家の墓だろうか?」と狙いを定め、漫画家だった方の墓を目指して再び移動を開始する。
ちなみに「ひと気のない墓地で見かけても奇異に感じない生き物ベスト2」を勝手に決めさせていただくとすれば、ダントツで猫とカラスです。やっぱり墓地には犬より猫、ハトよりカラスが似合います。
こちらの敷地をグルリと回ると、建物の横に「昭和45年建立 横井英樹」の文字を見つけ、再び「うわ」と声が出た。
先を急ぎましょう。