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特集


ちしきの金曜日
 
11月、水タンク、秋。

■水タンク先進国・沖縄


家のサイズと水タンクのサイズのバランスがおかしい。でかいぞ、水タンク。


水タンクの先進国だということが分かった沖縄。その先進国ぶりを遺憾なく体現するのがその大きさだ。とにかくでかい。家屋全体の大きさと水タンクの大きさとのバランスがおかしい。

もともと平屋一階建てのあまり背の高くない住宅である場合が多いこともあるが、それをさっぴいても大きいのだ。沖縄の水タンクは。そもそも、東京ではこういった一戸建ての家の屋上に水タンクが置かれているのを目にすること自体がない。

ビルでなくても、一家に一台水タンク。いたるところに水タンク。ユビキタス水タンクと言えるだろう。


小屋に水タンク。しかも2つ。小屋と水タンクとすでにどちらが主体だか分からない。
東京都違い、水不足時のための備蓄という非常時を想定した水タンクであるため、こういった普段暮らしを営む家屋ではない小屋の上に水タンク、という風景も良く目にした。

 

■28度。ステンレスの輝き


街のいたるところに南国の日差しに輝くステンレス製の水タンク。空の色が秋とかじゃない。


素材的な側面で東京ではあまり見かけないのがこのステンレス水タンクだ。以前は東京都同じようにFRP製の水タンクが多かったようだが、日光を透過してしまうため衛生面から今はこのステンレス製が主流になりつつあるとか。非常時のための備蓄という長期保存用途ならではの素材選びが文字通り光る。

ぼくのなかで「沖縄=ステンレスの輝き」のイメージ構造ができあがっている。

 

こんな広告も目にした。すでに沖縄名産の域になりつつあるようだ。ステンレス水タンクストラップとかあったら買うよ。

 

■大工よ、水タンクの梁を高く上げよ


ソリッドなコンクリの柱・梁によって水タンクを持ち上げている。これも沖縄以外では珍しい。


水の位置エネルギーを稼ぐために水タンクをより高く持ち上げる、というのは沖縄に限らず全国的に見られる光景だが、その持ち上げる柱にぐっとくる。そもそも戦後沖縄の建築は鉄筋コンクリートの柱と梁にブロックを積んでいっただけのもの(「スラブヤー」と言うそうだ)が多く、それが沖縄特有の町並みを生み出しているのだが、この「コンクリート使い」は至る所に見られ、この水タンクの持ち上げに際してもそれが使われている。

いかにも「持ち上げました」という感じの佇まいに好感が持てる。いつかは自分もこうやって持ち上げられてみたい、と思う頼もしさである。

 

左が一般的な持ち上げ方。ごくまれに真ん中のような全国各地で見られる持ち上げ方もある。右のようなワイルドな持ち上げプレイも。

 

東京における水タンクの持ち上げ風景と比べて欲しい。



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