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土曜ワイド工場
 
高専ロボコンを升席で観戦してきた

なんと決勝だよ

それでですね。わが(勝手に「わが」とさせてもらってる)東京高専のロボット「縦高無尽(ジュウコウムジン)」ですが・・・なんと、決勝まで進んでしまったのですよ!

確かに速かった。立ち上がりのスピードも速く、ハシゴなどの障害物も安定した技で乗り切り、1回戦で自動ロボとの連係がちょっとあやしかったものの、勝ち進むにつれて脅威のスコアをたたき出してきた。

もう、負ける気がしないわけですよ。

ちなみに、東京高専のコントローラー部分はプレステのそれを使っているとのこと。ふだん使い慣れているのがいいようだ。他の学校も、そういうコントローラーを借用しているところが多いとのことで、えらく自由な感じなのだった。


開会前に前日のリハでの下馬評を伝えにきた、会場裏方としてがんばっている東京高専のメンバー。「うち信じられないくらい速いっすよ!」 合間に試験用の勉強をする応援団。一緒にがんばってきたBチームはちょうど当日試験で来れず、Aチームもこのとおり試験直前。

勝ち進むにつれ、テレビクルーも多く張り付く。

決勝戦は津山高専との戦い。 淡々とインタビューに答えるクルー。「普通どおりにやるだけです」。渋い。

対する津山高専は「単構造」という名のロボットを出してきた。確かに、単構造だけあって、無駄な動きがなく効率的に動いている、気がする。

そういえばさまざまなメカが登場してきたが、C型の、円構造を利用したものはなぜか早めに敗退しており、逆に直線を多用した、シンプルな構造のものが多く勝ち上がってきている、気がする(このへん突っ込むとたいへんなことになりそうなので、ふわっと叙情的に)。


決勝前に各チームの応援団から活を入れる。彼もサンボマスターのようにオタケビをあげた。 リード!かなりのリードです!もうこれは決まりでしょう!
手動ロボ快進撃のときの応援団の様子。 ご担当の先生、校長先生も夢中で応援。

しかし勝負は最後までわからなかった。

なんと、自動ロボに引き継いだとたん、彼が予想外の動きを始めてしまったのである。3回戦まではクレバーな判断でさくさく上っていった彼が、急に童心に帰ったかのように壁の前で右往左往。果ては敵チームの赤い壁面のほうに勝手に入っていってしまった。

そのすきに、津山高専、ゴーーーール!ここの写真がないのは、自分たち取材陣もすっかり勝負の行方に気をとられていたせいである。


パーン!ゴールの瞬間、派手な紙吹雪が舞う。 敗退の後の応援団の様子。

わからないものです。これが、ロボコンというものなのでしょう。

失礼ながら、最後にあの自動ロボが変な動きをしたとき、笑えて笑えてしょうがなかった。人間の意志、情熱とは無関係にインベーダーのように動く彼を。製作者の方にはたいへん失礼なのですが。

でも、例えば1回戦で負けたチームにしても、(遠目には)淡々と受け止めているように見えた。乱暴に言うなら、「ロボットだからしょうがない」。でも、このために持てる全技術を投入しても、計算どおりにはならない、そのことを誰よりも知っているのが彼ら高専の生徒たちなのだと思う。そして、持てる技術を全部注ぎ込んだ、という満足感もあるのかもしれません。

 

自分たちも何がどうなっているのかという感じ。

おまけ。この日、接戦の末惜しくも優勝を逃した東京高専ですが、なんと「ロボット大賞」を受賞してました。

一番最後にこの賞の発表があったし、番組的にもこの受賞者を囲んで「さようならー」とカメラに手を振っていたので、こちらのほうが大きな賞のようだ。うーん、肉を切らせて骨を絶つってやつ?違うか。

レースには負けたが、技術・アイデアなどの総合点では大賞、と、こういう判断らしい。

先生方も狐につままれつつうれしそうだった。

ロボットの動いているところはテレビでチェック!
【放送予定】
●NHK総合 12月23日(金・祝) 午後7:30〜8:39
●BS-hi   12月24日(土)    午後0:10〜1:40


 

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