「なかなか
切実でリアリティのある歌詞なんですが、
これってもしかして、
実際にあなたこういうこと
言われたことあるんじゃないですか？」

「！！
　そそそんなわけないでしょ。
　ぶっとばしますよ」

　　ボコッ

　　　「ぶはぅぁっ！！」

「…
　本当にぶっ飛ばしましたね」

「そうですね。
揉め事はたいてい暴力で解決します。

いや
ホントにそんなことはないので、
そりゃモモのことも好きですが、
もちろん女性の方が好きですので
安心してください」

「はぁ」

「でもそれに
愛犬モモへの僕の思いは
結構に片思い
だと思いますよ。」

「あら、そうなんですか」

「そうですね。基本的にモモ
僕の命令はあんまり聞いてくれませんねぇ」

「ダメじゃないですか」

「まぁぼそぼそした声で
曖昧な命令しかしない僕も悪いんですが。
「モモ何か取って来い」って言っても
いまいちリアクション悪いんですよねぇ」

「あんたその命令、
犬的にはかなりひどいよ、
「何か」って。そりゃわからんよ」

「あ、そうですか。でもそれなりに
何か取って来てくれますよ。
リモコンとか」

「あらやだ
すごくいい子じゃないですか」

「そうですね。モモ萌え〜です。
でもまぁそもそも
月に１回帰省したときにしか
会えないですし、
たぶんモモ的には、僕って人間は
“月に一回実家に帰ってきては
なんか変なことやらせて
また多摩に帰っていく奴”
っていう認識くらいしか
ないんじゃないでしょうかねぇ」

「それって相当謎な男ですよねぇ」

「はい。
でまた今度帰省するんですが
またモモに
変なことやってもらおうかと
思っております」

「あらまた。
反省の色ゼロですね。
またディスタンスが広がるじゃ
ないですか」

「でもなんとか
散歩にいっぱい連れてってあげて
いつかモモを振り向かせてやりますよ」

「ていうかやっぱり
あなた女性より
犬の方が好きなんじゃないですか？」

「！！
　バカおっしゃい！
　好きな女性の方が好きやで〜〜」