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特集


ひらめきの月曜日
 
バウムみたいなチクワを作ろう


多摩川へ

多摩川の河原は到着する少し前まで降っていた小雨でしっとり、じめっとしていた。空は引き続きうすぐもりだ。全体的にどんよりしている。

あまり歓迎されていないような天気

実は今回、わたくし単身でこの河原へ乗り込んでいる。一人で河原でちくわを焼こうというのだ。

バウムみたいなちくわを作るぜ! 魚のすり身なんて初めて作った、きゃー! というイケイケのテンションだけでここまで来てしまったが、一人である。もしかして、私はどこかで何か間違っているのではないか。曇る天気にはっと、我にかえされる。

ごごごごごー。風も強い

いかん! 保てテンション! できあがったちくわのことのみを考えるのだ。

河原をやや川下へ下り、火をおこしても良いことになっている広場へやってきた。もしや先客が陽気なバーベキューパーティーなどやっていたらとおっかなびっくりだったが、幸い誰もいない。セーフ。

がさごそと道具、材料を取り出す

炭から火をおこす自信がなかったため、カセットコンロと小机を用意した。これで安全に一人でも河原でちくわが焼けるというわけだ。

……。


準備が完了した時点でうっかり、一瞬ぼーっとしてしまった。目の前に広がる川、土手、芝生の広場、そして手元には竹とカセットコンロと生の魚のすり身。

夢か。

まずは試作から

ぼーっとしていても始まらない。焼かねば。まずは竹ではなく、小手調べに細めの軸に巻いて焼いてみることにした。アルミホイルを巻き付け、すり身をぺたぺたのせる。

もう勢いで作り始めよう

カセットコンロは、野外だと炎の色が非常にみづらく難儀した。ちりちり焼ける音と焦げ目のつき方で焼け具合をジャッジ ピンクだったすり身は焼くと真っ白に! 竹輪だ!

最初なかなか火が通らず焦ったが、じっくり火にかざしていると焼ける良い音がして、旨しょっぱい、まさに竹輪のにおいがしてきた。さらに焼き続けると、内側からじゅわっと肉汁が。

肉汁だ! 肉汁が出たぞー! 

なんとちくわも焼くときに汁が出る物なのか。とかく練り物製品はそれが魚肉であることを意識して食べないことが多いが、ちくわもれっきとした肉であることを再認識。

もうそろそろ焼けたかな、というよりむしろ、もうちょっと食べるの我慢できません、ということろで火から下ろした。


くしからはツルっとぬけた

むこうの景色もよく見えますわ

手作りちくわ、たべる

ちくわ、というよりもつみれのような食感だった。わが家にはフードプロセッサがなく、すり鉢ですったのでなめらか度合いが低かったようだ。それでも、いかにも手作りというワイルドな味わいで大満足。

エビか?というぐらいプリプリです

それではいよいよ、今回のミッション、バウムクーヘン的ちくわ製作の開始だ。果たして、生地は上手に層をなしてくれるのか……。



 

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