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ちしきの金曜日
 
ふしぎな動物園を再訪する

キリンにエサをあげられる

こんな宇都宮動物園だが、「人と動物の距離が近い動物園」としても有名だ。猛獣以外のほどんどの動物に、手渡しでエサをあげることが出来る。


エサをおねだりするキリン

キリンに手渡しでエサをやれる動物園はなかなかないと思う。ここは園内でも一番人が賑わっているコーナーだった。もちろん、僕もエサをあげてみる。



少しのエサで長く楽しもうと思って、エサを出したり引っ込めたりしていたら、キリンのツバが僕の顔に引っかかった(動画の最後の悲鳴がそれです)。

大相撲でいえば、砂かぶり席並の待遇だ。すごくおトクなのかもしれない。


遥か頭上から狙われる感覚

何気なく撮った全景写真だが、それぞれのキリンがおねだりの照準をビシ!っと定めているのが頼もしい。草食系男子(女子かもしれない)のジリジリとした欲望を感じさせる。


キリンのベロっは長くて黒かった

 

ライオンに威嚇される

こうした草食系動物ほどではないが、猛獣と人の距離もそこそこ近い。腕をひょいと伸ばせば、ライオンの鼻先に自分の手が届いてしまうくらいだ。


クマとかトラとかライオンの檻
柵が簡単なので、乗り越えてしまう人もいるのだろう。一切の責任を負いかねるそうである

これだけ近いと、猛獣の方もこちらをだいぶ意識するみたいだ。機嫌の悪そうなライオンが、通りすがりの子供に思いっきり吠えかかっていた。


思わず立ちすくむ小学生

この後、小さい方の子供が泣いていた。そりゃそうだろう。撮影していた僕も恐かった。


交錯する現在と過去

そして、僕は奇妙な感覚に襲われる。

…この泣いている子供は、小さい頃に宇都宮動物園に来ていた僕の姿そのものじゃないか。


…そうだ、僕は小さい頃、ライオンとかトラとかの猛獣を見るのが大嫌いだった。どこの動物園に行っても猛獣の檻からは逃げていたのだ。


猛獣を見れるようになったのは、小学校高学年になってからだった

今だから確信できる。幼い僕の「猛獣を過剰に恐がる病」は、宇都宮動物園で植え付けられたに違いない。いったい、なんてことをしてくれるんだ、宇都宮動物園。僕も子供が出来たら、絶対ここに連れてこよう。

自分自身の古いトラウマが、心の奥の方から少しずつしみ出でてくる。まさか動物園に来てこんなことになるとは思わなかった。夏の暑さと遠い記憶が、僕の頭の中で混じり合ってクラクラしている。


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