新ターゲット、山上の網目地帯を目指す

あっけなくニョキニョキハウスの正体が判明してしまい、さてはて、これから一体どうしたものかと少々途方に暮れてみる。

今一度、地図とにらめっこをしてみた結果、この付近にもう一ヶ所、妙に気になる場所を発見したので、そこへ行ってみたいと思う。

有田川から少し離れた山間に、網の目のように道路が張り巡らされた一帯が存在するのだ。下の地図がそれである。スクロールやズームアウトしてみると、山の中に広がる網目の異様な感じが理解いただけるだろう。

「有田巨峰村」と表記がある時点で、この網目地帯がどのような場所なのか、何となく想像が付かんでもないが、しかしまぁ、そこにどのような光景が広がっているのかには興味がある。訪ねてみる価値はあるだろう。

そして、もし我が財布が許すのならば、現地にて、今が旬の巨峰をむさぼり食うのもやぶさかではない。

その網目地帯への入口は、有田川を少々下った所にある。ニョキニョキ別荘地帯から下山した私は、相変わらずの灼熱地獄の中、有田川に沿って国道480号線を歩いて行った。

その距離、およそ2km。たいした距離ではないと思ったが、ところがどっこい、寝不足の上、急勾配の林道を歩いて体力を消耗し切った私の体には、堪える事この上無い。

歩くのは嫌いではない。むしろ好きな方であるはずなのだが、カンカン照りの太陽にやられ、おまけにアスファルトの熱で下からもあぶられ、既にバテバテだ。

休憩を挟み挟みのんびり歩き、結局、網目地帯の入口を発見したのは、それから1時間近く経った後の事だった。

もう、これ見よがしに巨大な文字で「有田巨峰村」と書いてある。ここまで分かりやすい入村口はそう無いだろう。全身から溢れ出る汗をタオルでぬぐい、残った体力を振り絞り、私は坂道を登った。

待っててくれ、巨峰ちゃん。