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フェティッシュの火曜日
 
秩父でキャビアを作ってるぞ

チョウザメ料理を出す鰉魚亭に戻る。料理は奥さんが腕をふるう。

チョウザメの肉というよりはキャビアの親

さて、養殖も成功してチョウザメも大きくなった。肉を出荷しようと、知り合いの飲食店やら業者やら色々あたってみたが感触がよくない。

だったらもう自分で出して、チョウザメの肉のPRにも一役買って出ようとお店を出したんだそうだ。

そういえばチョウザメの肉って一般に売られているんですか?

「関西のスーパーで一度売られたことがあるらしいけど、誰も買わなかったそうでね。でも店の人が一計を案じて、『キャビアの親です』って書いたらその日のうちに売り切れたって話があるね。」

やっぱりキャビアは3C時代(キャビア、クーラー、カラーテレビ)を生きる僕らのあこがれの的ですよね。早く食べさせてくださいよ、キャビア。


店のメニューにあった鰉魚丼。チョウザメの刺身とキャビアが。

キャビアのよさは稀少価値だ!

キャビアを作るのには10年くらいチョウザメを育てないといけないそうで「割りに合わない」と東条さんは言う。

「キャビアといえばどんな味?しょっぱいな、って思うでしょ。日本に入ってくるものは長期保存するために塩分がきついんだよね。」

はあ、たしかに結婚式なんかでしかお目にかかれないほど貴重なんだけど、味の思い出はゼロ。

「よく料理番組とかでキャビアを使ってるじゃない。あれはナンセンスだね。皮が薄いから熱処理したらすぐ破ける。だからキャビアはそのまま食べるのが一番。

キャビアといえばクラッカーってみんなよく言うけど、あれも砕け散って埋没しちゃうからね。それだったらパンがいいと思うよ。洒落てるんじゃないかね。」

はいはい。パンがいいそーです。いいから早く食わせて!

「人に言うときにはミルクの味って言ったりもするけれど。うん、まあそうだよね、魚卵の味だよね。僕なんかはからすみが好きだけれど、いくらとかさ、ああいう系統の味。」

からすみとキャビアだったら「からすみだね」と言い切っていた東条さんは、キャビアについて「稀少価値のものじゃないかな」と切り捨てた。

とすると、この話の流れは肉の方がうまいってこと?お肉を食べる流れですか?


店にかかってるメニューから。なんでもええから早く!

チョウザメの感想で「今までどれだけ魚を食べてきたかがわかる」らしい

ここまで話してきたけれど、チョウザメの肉ってそもそもどんなものなんだろう?

「チョウザメの肉の色は白いのから赤いのまで。こればっかりはさばいてみないとわからない。」

色がバラバラなのか。それは慣れない感じがするな。味はどんな?何に似てるんですか?

「僕は魚が好きでね。ガキの頃から親父に連れられてけっこういいとこも行ってきたけどさ、僕に言わせりゃどれにも似てないね。」

えーっ。何かあるでしょう、何か。

「チョウザメを食べてもらってその感想で『その人が今までどれだけ魚を食べてきたか』がわかるんだよ。」

まさかのクイズタイム再燃!?それはおもしろいじゃないですか!


「秩父の清流で育ったチョウザメをどうぞお召し上がりください!」とあるが、チョウザメって清流で育つんだ!という驚きが先行してしまう。

はい、クイズタイム終了

「あまり魚を食べてこなかった人は『鯛に似ていますね。』って言うし、もう少し魚を食べてきた人だと『ブリに』って言う。もっと食べた人だと『キングサーモン』って。

けど、僕に言わせれば全部正解で全部不正解。そりゃ魚だから共通の味っていうのがあって、どれにも似てるよね。でも、一番うんと食べてきた人は『どの魚にも似ていませんね』って言うよ。」

うわ、また正解言われちゃった。よし、じゃあこっちも「どの魚にも似てないですよね〜」って言おう。すんごい揉み手しながら。そして、大北さん通だな〜って思われよう。

じゃあ、味見とかそろそろしてみたいんですが…

「ちょっと無理だね。」

はい。

エエッ!?


なんと、見るだけ!?

おあずけ食らった!

しまった。養殖が珍しいので養殖見せてください!って事前に言い過ぎたせいで、料理はまあいいんだろうな、ってことになってたそうだ。

ここに肉があるんだからなんとかなるだろう、と思っていたら、解凍しないといけないし、奥さんいないと料理できないし、という話になった。

ダバーッ!


もちろんこちらの不手際ですが、に、憎い!

打って変わってポスターまで憎い!

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