S線試乗
今度はS線の女性専用車両に乗ってみる。K線と同じように、最後尾の1両が女性オンリーになっている。
やはり警備員がいた。
警備員は、工事現場とかコンサート会場とか、見なれた場所に立っていれば何てことないけれど、見なれない位置にいると、ものすごく威圧感がある。
ちょっと恐かった。悪いことしていないのに。
車内は平均年令がK線より少しだけ若い気がした。そしてK線より微妙にダサい(失礼)。なぜだろう。埼玉を走っているので、実家に住んでいる女のコが多いのかもしれない。
車内もK線よりザワザワしていた。ほどよい混み具合。
しかし特に変なことをしている人もいなかった。
女子グループの会話をきく
となりに4人の女性グループが乗ってきた。円陣になって立つ。1人がみんなの手のひらに、ピンキーを出してわけている。
クレアーズのピン止め、Gジャン、レスポートのバッグ、バーバリーブルーレーベル、過剰な美白メイクと茶色い眉……彼女たちは20代前半かな、と予測した。
「明日レッズ戦だから、今日早く寝ないと!」
「うっそ、すきだねー」
「ほんとー、飽きないねー」
「飽きないよー」
「ねえねえ、**ちゃんと逢う?」
「ああ**ちゃん? あたしこないだ西友で逢ったよー」
「ほんと?」
「ねえねえ**ちゃんて、だって子供生んだんでしょ」
「まじで?」
「そう! 信じられないよねえ、**ちゃんがさあ」
「うそー、知らなかった」
「いつ?」
「去年」
「まじでー」
「ねー。いちばん早かったよね、いちばん遅い感じしたのにね」
「ねー」
「でもさあ、西友出来て便利になったよねー」
「便利になったー」
「前はさあアタシ、マルエツで買い物にしてさあ、買い物のビニール袋持ったまま、電車に乗ってさあ」
「あはは」
「超恥ずかしかったー」
「ねー」
何だかとても楽しそうだ。
かと思えば、私の後ろで、おとなしめのスーツ姿の二人(20代後半っぽい)が
「………っていうかね、それでヒドイ目にあってから、私、私自身が先輩たちに尻ぬぐいしてもらっってたんだなあって分かって、すごく反省したっていうか……」
「あー」
なんて話をしていた。女の人生いろいろ。
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